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みどりの船



クェンティン・ブレイク 作
千葉茂樹 訳

あかね書房

1680円


32P 321×228


ぼくたちはわすれない。
あの夏、みどりの船で航海したことをー・・

  
夏休み、いなかで過ごすことに退屈した姉弟は、
ついに、禁止されていたとなりのお屋敷の庭に、もぐりこみました。
ジャングルのような木々をかきわけ、奥へ奥へと進んでいき、
ふたりが目にしたのは、みどりの船。

えんとつもあるし、マストもある、
デッキには小さな小屋もついている、
植え木を刈り込んで作った、大きな大きな船でした。

船長夫人(このお屋敷の女主人のおばあさん)と水夫長(庭師)と姉弟は、
それから夏中、この船で遊びます。

イタリアの遺跡、エジプト、
天気が悪くて寒い日は、北極、
暑い暑い日は、赤道越えの儀式を。

嵐も無事に乗り越え、
夏が終わる頃には、船から伸びる長いツタをつなぎ止め、港へ到着。

そして、次の夏も、その次の夏も。

やがて、姉弟は無邪気に遊ぶときをすぎ

手入れをする人のいなくなった船は、少しずつ自然の姿に戻っていき・・


みどりの船は、きっと、
思い出ではなく、血となって肉となって、
いつか記憶が薄れる日がきても、なくならないでしょう。

終わってゆく、続いている、物語。