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赤い目のドラゴン



アストリッド・リンドグレーン 文
イロン・ヴィークランド 絵
ヤンソン由実子 訳

岩波書店

1470円


26
センチ


ある朝、ぶた小屋にポツンと、ちいさなドラゴンがいました。

母さんぶたが、産んだのでしょうか。
でも、ドラゴンはおっぱいにするどい歯でかみつくので
母さんぶたは、あまりドラゴンが好きではないみたいでした。

わたしとおとうとは、毎日、
ドラゴンにえさを与えに、ぶた小屋にいきました。

ドラゴンは、ろうそくが大好物なのです。

機嫌のいいときは、赤くて大きな目でじっとみつめ
しずかに笑って、しっぽをゆっくりふります。

ときどきは、小屋の隅でじっとわらをかんだり、
涙をうかべていることも、あります。

無邪気で、気分屋で、
とてもとても愛おしい、小さなドラゴン。


たのしい日々は過ぎていき、
夕焼けのうつくしい日、別れの日、
それも突然、やってきました。

スウェーデンの森の、ピンとはった空気の中で、
夕日はどんなにかうつくしいのでしょう。

どんな気持ちを、かきたてるのでしょう。

夕日にむかって歌いながらとんでいったドラゴンは、
きっと、もう戻ってきませんし、
そのたねあかしも、ありません。

ただ、本をとじて、そっと目をつむると、
それから・・澄んだ秋の夕日に出会うと、
いつだって、ドラゴンは、こころの中にもどってくるのです。

かわいい、ドラゴン。