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町がしだいに広がるにつれ、さばききれなくなった 荷箱や石炭や、牛やブタを積み替えるため、 市会議員たちは、クレーンを一台、据え付けることに決めた。 クレーンの製作に、たくさんの男たちが雇われ、やってきた。 その中に、だれよりもクレーンにほれこんだ男がいて、 みんなは、彼を「クレーン男」とよんだ。 やがて、クレーンが完成しても、クレーン男はそこにいて、 彼のあざやかなクレーンさばきをみた 市会議員たちは、クレーン係に任命した。 クレーン男は、とてもよろこび、 それからは決して、地上におりてはこなかった。 クレーンの上で寝て、クレーンの上で目を覚まし、 クレーンの上から、友だちのレクトロと友情を確認し合い、 クレーンの上から、いくつかのトラブルを解決した。 月日が流れ、いつか、地上の様子がおかしくなってきた。 戦争が、忍び寄ってきたのだ。 戦いがはじまり、終わり、そしてこんどは 水が押し寄せてきて、海が国中をおおってしまっても クレーン男は、孤独とともに、クレーンに居続けた。 クレーン男は、クレーンに、居続けた。 どんなジャンルにも属さない、独特の絵物語。 胸に深く焼き付き、運命の1冊になる可能性が、あると信じます。 |
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