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なにもない海。 波も、鳥も、月も。 ただ、空いちめんに、銀の粉になって 星が散るばかりの、夜の海で、ふたりは出会いました。 やさしい、大きなくじらと、 ビロードのようにうつくしい肌の、すこし甘えんぼうのいるか。 くじらは、本を読むのが好きで、詩や物語も書いて、 ビールが好きで、もちものは、みんな、口の中にいれています。 いるかは、体操が得意で、あたまをなでてもらうのが好きで、 お茶が好きで、部屋には、いっぱいものが置いてあります。 いるかのうちで過ごしたり、くじらのうちで過ごしたり、 パリのモードに憧れるくじらが、しばらくパリへ行ったり、 人魚に手紙を書いたり、誕生日を祝ったり、恋をしたり。 こわがりのときのいるかが、夜、くじらに あたまをなでてもらって、たのしいはなしをしたり。 そんなふたりの、一緒にいたり、いなかったりする毎日が、 詩のような物語と、物語のような詩で、紡がれます。 ゆらゆら、ゆらゆら、海で、いっしょにいるみたいに、いい気持ち。 |
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