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7月の早朝。 ベランダの前の茂みに、入れ歯を落とし 探しているおばあちゃんに、ソフィアが声をかける。 やっとみつかった入れ歯を、入れるとこを見られるのを拒みながら 鮮やかにカパッとはめるおばあちゃんに、ソフィアは、聞く。 「おばあちゃん、いつ死ぬの?」 そして、ふたりは、父親に禁止されている危険な岩の岬へ、 おばあちゃんを先頭に、朝の美しい散歩へ出かけるのだった・・ ・ ・ ・ 夏の間の数ヶ月間を、フィンランド湾の多島域の沖にある ちいさな岩の島で暮す、ソフィアと、おばあちゃんと、パパ。 多感で無垢な少女、ソフィアは、そのほとんどの時間を、 自然と、自分と、おばちゃんを相手に過ごします。 そのすべてに、全身全霊を、まっすぐにぶつけながら。 よき遊び相手、ケンカ相手でもあるおばあちゃんは、 少女が、恐怖や、怒りや、憎しみとも向き合わなくてはいけないとき、 気づかれないようにそっと手をさしのべます。 不器用ながら、ソフィアも、しかり。 成長し、老いるという、当たり前のことを認め合い、 お互いの尊厳を守り合うこと、 ぶつかり、受け入れ、時には、がまんをし合うこと。 荒々しい自然の中で育まれた、ふたりの関係は、清々しく、 変化はあっても決してこわれることなく、たくましいです。 印象的なエピソードや、会話で編まれる物語ですが、 親愛をこめて描写される、美しいフィンランドの自然と同じく、 小さな石ころ、感情、言葉のひとつひとつがそこにあることが大切で、 どれひとつ欠いても、とりだしても、成り立たちそうにないので、 ぜひ、読んでみてくださいね。 |
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