> 絵本とお茶の時間

エミリ・ディキンスン家
のネズミ



エリザベス・スパイアーズ 作
クレア・A・ニウ゛ォラ 絵

長田弘 訳

1575円


83P 20センチ


窓のむこうで、もう、
小さな物語がはじまっている様子のする
清楚で細やかな表紙。

窓の向こうは、詩人、エミリ・ディキンスンの部屋。

長い年月、おとなになってからのほとんどを
両親の家で世間からかくれるように
「誰でもない」ものとしてひっそりと暮らしながら、
自由に空想にふけり、こころをゆらすほんのちいさなことの
なかからも、言葉をみつけ、紡ぎ、ほとばしるように
生涯、詩を綴り続けた、エミリ・ディキンスン。

彼女の部屋の壁穴に引っ越してきた
白ネズミのエマラインは、そんなエミリにこころひかれ、
自らもペンをとり、詩を綴りはじめます。

やがて、それは、それぞれの想いを言葉を通して共有し、
刺激しあい、なぐさめあい、励ましあう、かけがえのない
密かな文通になってゆくのです・・

    ・     ・     ・

白ネズミのエマラインを通して
言葉から、世界が広がります。

短いお話しですが、
純粋で清潔なあさひのように、その光が
どこまでも、どこまでも、草の色を変えながら
のびていくのを感じる人もいるとおもいます。

わたしは、あまり、外国の詩を知りませんが、
彼女を知っていました。

向かいの家に住む少女の目からみたエミリと、
クーニーの絵本のなかで、会ったことがあったのです。