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やぎと少年



アイザック・B・シンガー 作
モーリス・センダック 絵

工藤幸雄 訳

岩波書店

2100円


134P 23センチ


 過ぎ去っていく時間、その正体はなんなのだろう、そう思って
首をかしげるのは、子どももおとなも同じです。いちにちが、
過ぎてしまったあと、その日はどうなるのか。わたしたちのきのう
という日、楽しかったこと、悲しかったこともふくめて、その日は
どこにあるのか。過去とそれにまつわるさまざまな気持ちを思い出
すうえに役立ってくれるもの、それが文学です。物語をする人に
とって、きのうという日は、いつも身近にあります。それは
過ぎ去った年月、何十年という時間にしてもおなじです。

                ー まえがき より 



ノーベル賞作家のシンガーが
児童向けに書いた、最初の物語集です。

7つのみじかい物語がはいっていて、
なかの3つは、シンガーのおはなしではおなじみの
まぬけなヘルムの村の長老がでてくる、笑い話。

シンガーの本では、
くすくす笑い、恐がり、最後にこころをホッとあたためながら、
ぱたんと本をとじるときには、たのしさと、もうひとつ
種みたいなものが、残ります。

普遍的な生きる知恵や勇気の素、
立ち止まり、考えるきっかけやその種。

長い月日、こころにしまっておくと、
きっと、いつか、芽がでるような・・・


生きることや、過ぎ去っていく時間への問いは、
その答えではなく、むしろ、問うことに意味があると思います。