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| 時の旅人 | ||||||
![]() アトリーが、18才まですごした、 ダービシャーの田舎を舞台にしたタイムファンタジー。 病気がちの少女ペネロピーが、ある年、療養をかねて 兄弟とともに田舎の親戚の家で過ごすことになります。 (物語は、すべて、ペネロピーの口から語られます。) その壮大な農場での昔ながらの生活を心から楽しみながら、また、 空想好きで不思議な力をもつペネロピーは、 300年前におなじ場所で生活を営なみ、数奇な運命をたどった バビントン一族とも同じ時間を過ごすことになり・・ スコットランドの悲劇の女王メアリーや、 彼女を救出しようと企てた者たち、実際の歴史をもとに、 緻密に構成された、とても読み応えのある物語。 今よみかえしても、 やっぱり、おもしろい! まったく、わたしはペネロピーになりきり、 20世紀のダービシャーの田舎暮らしをたのしみ、 気がかりな過去への入り口をさがし、 悲しい運命が決められている勇敢な人々に胸を痛め、 ひとりの青年への切ない想いに、涙して・・ だれにも止められない運命に向かってまっすぐに進む過去の人たち。 ラスト、高い星空に向かって「グリーンスリーブス」を歌う フランシスの姿は、圧倒的な印象を残します。 古くからある土地に、代々暮らすこと。 命だけでなく、気高さも、つながることを実感できる暮らし、 とてもうらやましく思います。 アトリーの愛してやまないダービシャーの情景は、 手に取るようにこまやかに描かれ、それはとても美しいのですが、 その情景描写が長く多く、また、なじみのない外国の歴史上の出来ごとに、 読み慣れない子は手を出しにくいかもしれません。 でも、それをひいてもあまりある、 押し寄せてくる感情は、近ごろの児童書では、なかなか味わえない 読書の醍醐味。 もったいないから、 ぜひ読んでもらいたいな。 「時の旅人」 アリソン・アトリー 作 松野正子 訳 岩波少年文庫 |
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