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のぼるはがんばる
もらわれてきて、ないてばかりいた、のぼるなのに。
やねうらべやで、チューインガムという、おかしなやつに、であってから。
だんだん、毎日が、面白くなってきた。
チューインガムって、だれだろう。
頭のいいきみならば、きっと、のぼるよりさきに、わかるはずだ。

                 はじめに より





「のぼる」は、ひがしさんのうちで飼われている猫です。

子猫のときにもらわれてきたので、
少々、世間知らずなところあり。

すごーくお人好しで、素直で、あけっぴろげで、気のいい猫。

すこし、抜けているところもありますが、
そこがいいところです。


ある日、のぼるは、はじめて登った屋根裏で、
「チューインガム」に出会います。

たまごのからをかぶって、ものしりで、
お母さんと同じいいにおいの、へんなヤツ。

それに、語尾に「チュー」ってつけるクセがあって、
のぼるたちのことを、いつも観察しているみたいです。

最初は、おいしいものにつられて。

それから、何度も話をするうちに、
チューインガムを尊敬し、好きになっていくのぼるですが、
あるとき、ふと、小さな疑問がうまれます。

猫であることと、自分の気持ち。

のぼるは、ひとり、葛藤の末に・・・・


ちょっとだけ、さみしい。

でも、勇ましく、ひとまわり大きくなったのぼるの姿と、
それを知っていてくれる人のあたたかい眼差しが照らす物語の先が
とっても明るくて、力強くて、勇気がでます。

やさしさとか、まっすぐさのもつ、しなやかな強さが、残ります。


「のぼる」は、君平さんの家で、飼われていた猫の名前です。

ふたりのおじょうさんの名前も、そのままだし、
居候のガハハさんも、きっと、本当に居候をしていた甥っ子さんです。

君平さんは、ほんとうに、優しい人だと、思います。



「のぼるはがんばる」

東君平 作 ビックフット 819円