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あたまをつかった小さなおばあさん
これは、たいへん貧乏だけれども
「あたまをつかうことにかけては、たいしたじんぶつ」
である小さなおばあさんが、
身の回りで起こるちょっとした問題を
ご自慢のあたまをつかって解決していく、
小さなお話が9つはいった童話集です。

このおばあさんが、どうやって頭をつかうかというと・・・

たとえば「おばあさんが、エプロンをながくした話」の中でのこと。

おばあさんは、新しいエプロンを作ろうと
端切れの袋の中を探してみました。

なかなか良さそうな布を見つけたおばあさんは、
さっそく作ってみましたが、どうも少し丈が短いみたい。
そこで、おばあさんは、頭をつかって考えました。

おばあさんは、同じ柄の布を使ってフリルを作り、
それをすそにつければ丈が長くなるだろう・・と思いつきました。
(まったく、そのとおり!)

そこで、エプロンの上の方の布を少し切り取って、
それでフリルを作り、すそに縫い付けたのです。

エプロンをつけてみたおばあさんはこう言います。

「フリルをつけたら、エプロンが短くなるなんてしらなかった!
 これはひとつ、だいじなことをべんきょうしました。
 だから、わたしはいつもいうんだよ。あたまさえつかえば、にんげん、
 まい日でも、あたらしいことをおぼえるもんだってね。」




このおはなしの、いちばんのおもしろみは
なんといっても、わたしたちの一歩も二歩も先をいく、
おばあさんの奇抜なアイディア!

そして、失敗なんてちっとも気にせずに
幸せにかえていってしまうところ。


でも、なんで、おばあさんはそんな風にできるのかな。

これは、声にだすことと、関係があるんじゃないかな・・

詩でも、歌でも、意味があっても、なくっても、
声にだした言葉は、不思議な力をもちますもんね。

くよくよの虫がくっつく前に吹き飛ばしてしまえば
いつも前向きでいらます。

そうなると、なんでもたのしく感じるし、困難にあってもひるんだりしません。

何十年も、声にだして吹っ飛ばしつづけて、
ついに「わたしはなんてあたまがいいんだろうねぇ!」は
なんでも幸せにかえる魔法の言葉になったのです。

なんてことを、おもいつくなんて、
わたしは、なーんて、あたまがいいんでしょ!



「あたまをつかった小さなおばあさん」

ホープ・ニューウェル 作 山脇百合子 画 松岡享子 訳
福音館書店 1575円