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| ぼくのスミレちゃん | ||||||
![]() 年老いて、様々なものを失い、 それでも失われることのない、愛し愛された記憶・・・ 少し”遠く”なり、昔と今を行き来するおばあさんと、 そのかたわらでしずかに生活をおくるおじいさん。 どちらが「本当」なのか、だんだんわからなくなっていく、 不思議ななまぬるい空間。 ・ ・ ・ めぐるめぐる季節の、 いつだってはじまりの春。 そこだけが、ぽうと明るうて、 まるで桃色のたいまつがほわほわとともっているようなみごとな桜ー の下で佇む少女と、すこし離れた場所から目を留めている、少年。 ふたりの憶いが交錯し、遠い昔の出会いが浮かびあがる場面ばかり 淡く、鮮やかで、手にとれるくらい近く、とても、美しく。 その色が、すこしずつ、ふたりの生活に、染みだしていき。 いつしか、すべてが春の色に染まり、 季節がとまってしまうことも、また、幸せなのでしょうか。 まだあと何十年も先の愛のお話。 でも、この季節に読みかえすたびに、胸がきゅっとなります。 少しずつ時間を費やし、濾過された愛は純粋。 愛って、美しいものだな・・・なんて。 ”ぼくのスミレちゃん” 今江祥智 作 宇野亜喜良 絵 旬報社 |
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