日本の絵本 <
ゆっくりくまさん
いそがしい、いそがしいって、
なにをやっているのか、じぶんでよーく観察したら、
お茶をのんだり、絵本をよんだり、してばかりなのです。

(絵本を読むのは、お仕事のうちですけどね。)

それで、ときどき、
あぁ、いそがしいなぁ。
何からやればいいんだろう・・・

なんて、ボーッとしているのです。

さいごには、いつも、
きょうは、もうできないや。あした、たくさんがんばろう。

と、なってしまうのです。


それなら、さいしょから、ゆっくりやれば、いいのですけれど。





ゆっくりやまの、ゆっくりくまさんが、
うたいながらやってきました。

秋です。

やぶにも、森にも、おいしい木の実がどっさりなっているころです。

でも、くまさんがつくころには、
やぶの木の実も、
どんぐりも、くりも、
木になっている赤い実も、
大好きなやまぶどうも・・・

すばしっこい、ちいさな動物たちが、みんな食べてしまったあとなのです。

「おなかがすいたな。
 だけど、いつだってみんなが、さきにたべちゃうんだもん」

なんていいながら、くまさんは、ゆっくりゆっくり歩きます。


先に食べてしまう子たちも、もちろん
いじわるしているわけでは、ないのです。

ちっちゃい、ちゃっかりものたちも
おおきなゆっくりくまさんも、りょうほうかわいいもの・・

それぞれの、性分なんですよね。


でも、すてきなことに、ほのぼの・・・は伝染します。

ちいさな動物たちにも、
読んでいる人にも、くまさんのゆっくりが
ゆっくり伝染していきます。

    ・・    ・・    ・・ 

ちいさい子向けの絵本です。

でも、わたしも大好きな絵本です。


どのページも、お天気のいい日の秋の色で、
大好きな西巻茅子さんで、
特上のゆーっくり、のーんびり。

ときどき、ほのぼのを、たくさんうつしてもらいます。


こうめは、ちっちゃいちゃっかりものです。

だから、たぶん、
おおきなくまさんの、のんびりした、余裕のそばにいると、
なんだか、とっても、安心するのかもしれないです。



”ゆっくりくまさん”

森比左志 作 西巻茅子 絵 福音館書店 840円

*この絵本は、現在、版元品切れです。
 ご注文をいただくことは、できません。