日本の絵本 <
ねこのセーター
秋になっても、あたたかい日が続いて
のばしのばしになっていた、ころもがえ。

コーディロイのズボンをひっぱりだすついでに
やっと、ウールやニットの衣類もとりだしました。

わたしのお気に入りのセーターやカーディガンには、
どれもこれも、いくつか、穴があいています。

でも、あんまりきにしません。

もちろん、ことしも、たくさん着ます。
おきにいりなんだもん。





さむがりで、なまけもののねこ。

ねこのセーターは、ぶかぶかで、ぼろぼろで、
おおきな穴が2つもあいています。

ねこはさむがりなくせに、
こんなセーターを着ているのです。

ねこは、毎日おうちで、
どんぐりにぼうしをかぶせる仕事を、しています。

「ぼうしいれ」なんて書いた箱を、ちゃんと用意しちゃったりして。

ねこは、どんぐりになかなかやさしいのでした。

でも、なまけものなので、3つばかりぼうしをかぶせると、
もうめんどうくさくなって、なまけはじめるのでした。


ふふふ。

そんなねこの、おはなしです。

ねこは、さらに、せっかちで、
おぎょうぎがわるくて、はずかしがりやで、なきむしで、
ちょっとだらしがなくて、はやおきなのです。

それで、2つ穴のあいたセーターを、たぶん、気に入っているのです。


わーい。

ねこ型人間にとって、
まったく、もう、憎めないねこなのです。

たよりない仲間がふえるのが、うれしいのが、ねこ型人間なのです。

たぶん、みんな、穴のあいたセーターを着ているはずです。



”ねこのセーター”

おいかわけんじ、たけうちまゆこ 作 学研 1260円