日本の絵本 <
とべバッタ
ちいさな しげみの なかに、バッタが いっぴき かくれすんでいた。
そこには、おそろしい ものたちが いて、 バッタを たべてしまおうと 
ねらっていた。
 
だから、ばったは まいにち まいにち、びくびくしながら くらしていた。 

しかし、バッタは こんなところで おびえながら いきていくのが、
つくづく いやになった。
 
そして あるひ、 バッタは けついした。



決意したバッタは、敵に襲われるかもしれないことを承知の上で、
大きな石のてっぺんでゆうゆうとお昼寝をはじめます。

案の定、ヘビやカマキリに襲われそうになったバッタは・・・

力強く・・・、・・飛んだ・・・・・・!




わたしが、最後に卒業してから、もう10年以上もたってしまいました。
もちろん、その間も、わたしなりにこっそりと卒業したことは、いくつもありますが。

おとなになると、誰も卒業式なんかひらいてくれないから、
自分で扉まで歩いていって、自分で一歩を踏み出さなくちゃいけないのです。

これがなかなか、むずかしい。


むずかしいから、扉の内側を居心地良く改造する知恵を身につけ、
またどんどんむずかしくなってしまいます。
だから、本当はおとなにこそ、事あるごとに卒業式を執り行ってほしいくらい・・



勇気をだして扉に手をかけて、それでもまだ迷っているのは、
外には怖いことやピンチが待ち受けていそうだから・・?
そのピンチに立ち向かう力が自分にはなさそうだから・・?
途中で力尽きてしまいそうだから・・?
無様なようすを笑われそうだから・・?


この絵本は、思いつく限りで一番力強い絵本。
とっても力強く、そんな不安は全部まとめて吹っ飛ばしてくれます。

これから新しい一歩を踏み出そうとしている人に、
この絵本が、卒業式代わりになるかと思うのです。



”とべバッタ”
田島征三 作 偕成社