外国の絵本 <
つばさをもらったライオン
まえにも、書いたことがあるのですが(
本の素敵なところを、まっすぐに表現してくれている
言葉や文章が、とてもすきです。

ポケットのなかに、たくさん集めています。

この本も、まるごとポケットにいれている1冊です。

ひらくと、わたしはとっても元気がでます。

何回も、何回もくりかえしていたら、いまでは
ひらかなくても、目の隅っこにはいるだけでも、元気がでるくらいです。





ねこの国をおさめる、金色のたてがみのレオ王は
とても立派な王様でした。

読み書きは、自分の名前すらもできませんでしたが、
「がおう」のひと声で、みんないうことを聞いてくれましたし、
きれいなお妃さまもいましたし、
黄金もどっさりもっていました。

たったひとつ、気がかりだったのは
北に住むオットー王の宮殿の壁には、なにやら不思議な宝が
ずらりと並んでいると、うわさされていたことでした・・

そのうち、レオ王とお妃に、王子がうまれました。
すばらしいことに、王子である赤ちゃんライオンには
背中につばさがはえていました。

ところがある日、王子は、まだじょうずに飛べないというのに
そよ風にのって、ふわふわと窓のそとに流されてしまいます。

さまよって、迷子になった王子が、
親切なふくろうに助けられて、つれていかれたのは、
北の国のしろくまのオットー王のもと。

そこは、とても古めかしく、豪華な装飾はありません。
ただ、壁にはずらりと、王子のみたこともないものが並んでいて・・


王子を夢中にさせ、とても幸せな顔で眠らせ、
学ばせ、自信をもたせ、成長させた、そのふしぎな宝。

それが
本なのでした。


王子の心地良さげな表情、
傷が癒え、レオ王のもとに帰る王子に、オットー王がもたせた手紙、
物語の結末、全部わたしの最近の元気のもとです。

堂々と、ゆるぎなく、愛情とユーモアをこめて。

お説教や、したり顔では、つたわりませんもの。



挿絵は、ダイナミックでかつ正確で隅まで美しく、
そのうえ、表情が豊かで、程よい遊びごころも秘め、なんともチャーミング。

さらに、さらに、
見返しには、AからZまでのアルファベットが
それぞれに物語をモチーフにして描かれています。

なんにもいわなくても、
本のたのしさ、そのものみたいな、絵本なんですよ。



”つばさをもらったライオン”
クリス・コノヴァー 作 遠藤育枝 訳
ほるぷ出版 1575円