外国の絵本 <
たいせつなこと
見開きごとにつぶやかれる、
スプーンにとって、
あめにとって、
りんごにとって、
空にとって、たいせつなこと。



耳を澄ますのを忘れそうになるくらいに、
いっぱいに広がる絵はどれも美しく、
そのうしろから、言葉が流れてくる・・
そんな感覚でページをめくります。

たいせつなことは、たとえばこんなこと。


        
ひなぎくは しろい

       まんなかが きいろく
  ながくて しろい はなびらには
    はなか ちょこんと すわり
      なんだか くすぐったい
          かおりが して
   ひろい みどりの そうげんに
   よりそい ささやきあっている

     でも ひなぎくに とって
          たいせつなのは
         しろく あること



たいせつなことは、どれもそんなこと。

     ・・  ・・  ・・

わたしがわたしであること、
そのなかに、わたしにとってたいせつなことがあるということ。

それを、かんたんだと思うことは、とてもかんたん。

でも、
あふれる様々な価値観の中で、そう思い続けられるほどに、
わたしは強くものんきでもなく。

気がつくと、もまれて、
はざまで身動きも取れなくなっていることもあります。
そんなときは、こころも鏡ではなくて、自分の姿がみえずにとても苦しい。

そう、そんなことでいいの・・・
の連続のあとに、「あなたにとってたいせつなこと」を
そっと置いてくれるこの絵本に、ときどき感謝です。



”たいせつなこと”
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作 レナード・ワイスガード 絵
うちだややこ 訳 フレーベル館