外国の絵本 <
ルピナスさん 小さなおばあさんのお話し
とりどりの淡い色で、スクッと空を差して咲くルピナスの花。
そのルピナスに、ひとりの女性の人生を重ね合わせて描いた物語です。

それは、特別な人生を送った、特別な人間の物語ではありません。
けれど、ルピナスの咲く町をいく女性の、
しゃんと背筋をのばし、誇りにあふれてなんて満たされていること。




ルピナスさんは、幼い頃からの夢を叶え、世界のいろいろな国をめぐり、
年をとった今、海辺の丘にたつ小さな家に住んでいます。

とても静かですばらしい暮らしでしたが、
もうひとつ、彼女にはしなければならないことがありました。

昔、大好きだったおじいさんのひざの上でした約束。
「世の中をもっと美しくするために、何かをする」ということです。


このうすい絵本のなかに、ひとりの女性の人生が
少しの物足りなさもなく納まってしまうのは、クーニーの絵の力でしょう。
どのページからも、色調から、ディティールから、
語られていない物語があふれています。
(そして、それこそが、だれの人生においてもいちばん大切なことと、
 わたしたちは知っています。)


語り手である、ルピナスさんの又姪の少女は、
最後にルピナスさんと同じ約束をかわします。

こうやって、少しずつ、少しずつ。

想いをつなげていくことの大切さを、思います。



”ルピナスさん”
バーバラ・クーニー 作 かけがわやすこ 訳 ほるぷ出版