日本の絵本 <
おだんごスープ
おいしいお料理に、いちばん必要な、スパイスはなに?

これがなくっちゃ、はじまらないもの。

お料理も大好きなくいしんぼうなら、
きっと、みんな、知っていること。

それはね・・




おばあさんに先立たれ、
なにをする気にもなれないおじいさんが、
おばあさんが得意だったおだんごスープを作ってみようと
思い立ちました。

台所には、5つのお鍋があり、
まずは、いちばん、ちいさなお鍋で作ってみましたが、
できあがったスープには、なにかが、たりません。

材料を、すこしずつ思い出しながら、
つくりなおすうちに、においにつられてやってくる
お客さんがふえていきます。

だんだんと、スープのお鍋は、大きくなっていき、
いちばん大きいお鍋で、作ったころには・・・

・    ・    ・

ドアがひらくたび、お客さんと一緒に
外の光が、ひとりぼっちの部屋にはいってくるみたい。

おじいさんのこころが、照らされ、
あたたかく癒され、開かれていく過程が、
とても自然に描かれ、さいごには、スープのおいしさだけでなく
ほんとうに、晴れやかな気持ちが伝染します。


おいしいものは、こころを満たす。

味も、よいほうがいいけれど、
湯気は、あたたかく、いいにおいでなきゃいやだけど、
なによりも大切なのは・・・・


あったかスープのおいしい季節。

ひとくちすすると、からだがポカポカ。
ふたくちすすると、こころがポカポカ。



「おだんごスープ」

角野栄子 文 市川里美 絵 偕成社 1260円