外国の絵本 <
きみなんかだいきらいさ
タイトル通り、ツンとして、まぁにくらしーい顔をし合うふたりの表紙。

表紙をひらくと、扉でも、大きな木をはさんで、にらみ合うふたり。

おまけに、次のタイトルページでも、
同じ傘にはいりながら、しかめっつらし合うふたり!

でもね、顔がにやけちゃうの・・
だって、知ってるんだもん。
こんなにくっついて、何回も何回もけんかできるのは、
本当はすごく仲良しだってこと。




ジェームズとぼくは、いつもなかよしだったよ。

いつも、クルクルクッキーをわけっこしたし、
がわがわのがまがえるの居場所も、おしえっこしたし、
みずぼうそうも一緒にかかるくらい、なかよしだったのに・・

でも、きょうは、だいきらいさ。
いつだって、いばりたがるんだから。


不思議なくらいころころ変わる、
ちいさなこころ。

でも、そうそう、きちんと理由があるんですよね。

だいきらいになるのにも、
「だいきらい!」って言うのに、わざわざ雨の中でかけて行くのにも、
ふいに仲直りしたくなるのにも。

笑っちゃうくらい真剣で、こころに忠実で。

こんな毎日、なんてドラマチックなんでしょうね。

      ・・   ・・   ・・

「だいきらいさ」とつぶやく、ぼくの背中には、
ぽっかりとおおきな空間。
くりかえしでてくる、ここだけ、ぼくの表情がみえないの。
泣いているのかな、怖いかおをしているのかな。

こんなちいさな日常を描いても、やっぱり、センダックってすごいな。

      ・・   ・・   ・・

センダックの描く子どもたちの表情の豊かさは、周知のことですが、
文字の少ないこの絵本をみると、改めて感動します。

絵だけを追っていくと、ふたりの気持ち、よーくわかります。

雨がやんだら、いっしょにやりたいこと、たくさんあるもんね・・って。



「きみなんかだいきらいさ」
ジャニス・メイ・ユードリイ 作 モーリス・センダック 絵 
こだまともこ 訳 富山房