外国の絵本 <
おおきなかしの木
木は、とても長生きです。

桜は2、300年。
杉は1000以上、屋久島の杉になると・・
6000年もの歳月を、そこにたって過ごしています。

木は、生きていて、たくさんの物語をもっています。
ことばでは語りませんが
わたしたちは、見上げて、触れて、
たくさん想像して、感じることができます。

この絵本は、そんな、世界中のたくさんの木のなかの1本、
1000年以上も生きたかしの木の物語です。




むかしむかし、
リスのおとしたドングリが、やがて芽をだし、
ながいながい年月をかけて、少しずつ大きくなっていきました。

なん百年もたつころには
見事なうつくしい木に成長したかしの木のまわりには、
いつでも、いろいろな動物がそれぞれの物語をもって
あつまっては、去っていきました。

人々も、もちろん、たくさんの物語を木と共有します。

そして、ある日、木は雷に打たれてその生涯をとじ、
またあたらしい、長い長い物語の種になるのでしょうか・・
リスが、おちたドングリをひろってはしっていくのでした。

    ・・    ・・    ・・

木の絵本の特集をするのに
木の絵本ばかり、何冊も読み返しました。

スケールがおおきくて、ふところもおおきくて
小さな出来ごとも、大きな出来ごとも、
いろんな想いも、時間も、受け入れて、自分の物語に織り込んでいく・・

木の下でおいはぎに襲われた馬車も、
おどろいて逃げたふくろうも、
切り倒した木でつくった宿屋でビールをのんだ女王さまも、
どれもが木の物語の糸となります。

木の物語は、たくさんの糸で織られた、一枚の布のようだと、思いました。



”おおきなかしの木”
エリザベス・ローズ 文 ジェラルド・ローズ 絵 ふしみみさを 訳
岩波書店