外国の絵本 <
かあさんのいす



主人公のローザは、お母さんとおばあちゃんとくらしています。
お母さんは、生活のために食堂でウェートレスをしています。
おそくまで、くたくたになるまで働いて、
そして家に帰ってくると
ローザにお財布の中の小銭をわたし、
台所においてあるおおきなビンの中に落とさせてくれます。

ローザの夢、3人の夢は、
ビンがいっぱいになったら
すごくふわふわで、すごくきれいで、すごく大きな、
ソファを買いにいくこと。
昔つかっていたのは、去年の火事でぜんぶ焼けてしまったのです。

火事のあと、近所の人たちから
あたたかい贈り物をたくさんもらったけど、
まだ、ソファがないんです。
かあさんが仕事から帰ってきて足が痛いときにやすませるソファ。
おばあちゃんがフンフン歌いながらじゃがいもを切るソファ

   ・・   ・・   ・・

これは、地に足をつけて、明るくたくましく生きる人たちのおはなし。
家族のおはなし。
それから、贈り物のおはなしです。

ビンのお金は3人で貯めたお金です。しかも
そのほとんどが母さんとおばあちゃんのお金なのですが、
これは、れっきとしたローザからの贈り物なんです。
だって、このソファをいちばん望んでいたのは、彼女なのだから。

とうとうみつけた、理想のいすに座る
かあさんのひざの上のローザはとっても、幸せそうです。
自分がプレゼントしたいすに母さんが座ってくつろいでいて、
しっかりと抱えてもらって、母さんの幸せと自分の幸せと、
しっかり実感している顔をしています。

だれかに贈り物をするということって、
こういうことなんだなーって、思います。
お誕生日だから、母の日だから・・・っていって探しても、
なかなかぴったりのが見つからないわけです。


だれかに贈り物をするとき、
このローザのソファのことを、いつもおもいます。



”かあさんのいす”
ベラ・B・ウィリアムズ 作 佐野洋子 訳 あかね書房