外国の絵本 <
ゴールディーのお人形
何かをつくったり、絵を描いたりするのがとても好きです。

昔っから、大好き。

物作りを仕事にすることにも、ずっと憧れていました。
でも、まわりの、
「この人はいつか物作りの人になるんだろうな」
って思える人とくらべて、自分は何か違う気がしていました。
あきらめ・・とかではなくて、なんというか、
わたしの好きは、仕事にする好きではないような気がしていたような。

そういう人は、どんな小さな作品でも、姿勢が全然違うようだったし、
自分の作る物をいつもすごく大切にしているように見えました。

いまでも、物を作る仕事をしている人に憧れます。

ゴールディーのように、自分の生みだすものに誇りをもって。
ひとつひとつ心をこめて、丁寧に。




木の枝を削って、ちいさな愛らしいお人形を作るのが、
ゴールディーの仕事です。

わたしがこのお話しの中で一番好きなのは、
ゴールディーの仕事ぶりが描写されているところ。
長い文章で、丁寧に描かれているのですが、
ゴールディーのすべてが伝わってきます。

どんなにこの仕事を大切にしているか、
どんなに自分の作るお人形を愛おしく思っているか、
どんなにこころをこめて作業をしているか、
どんなにつつましく質実な生活を営んでいるか。

そして、ゴールディーは、満ち足りて幸せそうです。

でも、「好き」と「仕事」がうまく釣り合っているようで、
どこかひかえめで自信なさげでもあったのでした。

それが、ある思いがけない出会いを通して
自分の立っている場所とその前に続く道をはっきりと捉えて、
本物の物作りの人に、なります。

それは、ぼんやりしていたら見逃してしまいそうな、
ちいさな出来ごとだったのでした。

      ・・   ・・   ・・

わたしは、物作りの人にはなれなかったけれど、
そうやって生まれた物たちを手渡す、という仕事を見つけられたのは
とてもうれしいことでした。

大切に作られた本に囲まれて、
しかもそれを必要とする人に手渡す、手伝いができるなんて。

本当に、このうれしさを忘れないようにしたいです。
ゆるやかに流されても、見失わないように。

そして、今はまだ頼りないのですが、
いつかは、ゴールディーが最後にふりむいてこちらを見つめる、
まっすぐでゆるぎないあの笑顔ができるようになれるといいな。



M.B.ゴフスタイン 作 末盛千枝子 訳 すえもりブックス


            
ゴフスタインの本  生きとし生けるもの
          
私の船長さん