外国の絵本 <
リディアのガーデニング
春になるとがぜん張り切る、へなちょこガーデナーのわたしですが、
これでも、いちおうリディアがあこがれ。

リディアの、もしゃもしゃと元気のいいベランダを目標に、
毎年奮闘しています。

今年は、場所が増えたのもうれしいところで、
もしゃもしゃと、世話をする自分ももちろんたのしく、
通りすがりの人にも、たのしいって思ってもらえる店先を夢みて、
せっせ、せっせと、庭仕事です。




舞台は大恐慌の直後のアメリカ。

田舎で暮らすリディアの家族も、その影響で暮らし向きが良くないようで、
リディアは、父さんの仕事が見つかるまで
町でベーカリーを営むおじさんのところに滞在することになりました。

お話は、すべてこの主人公のリディアの手紙で語られます。

わたしはこんな風に手紙で綴られる物語が大好き。
こころおきない相手への手紙は、気取らなくて親密で、
内容以上に伝えたい想いでいっぱいで、それが、まっすぐに届くから。


おばあちゃん仕込みの”みどりのゆび”をもつリディアは、
明るくて前向きで素直で、まるで自分自身も、
プランターからはみ出るくらいに元気に咲いたお花みたいな子。
得意のガーデニングで、町の人たちに「にっこり」をふりまいていきます。

ただひとり、おじさんだけはいつもしかめつらですが、
かしこいリディアはそれが「本物の」しかめ面じゃないことは最初からわかっています。
それに、こころを込めて育てたお花を見て、
にっこりしない人なんていないっていうことも・・

だから、リディアは、ある素敵な計画を思いつくのです。


わたしは、この絵本をひさしぶりに読みかえすたびに、
「このくらいだったかな・・」って
心が覚えているよりも、ずっとたくさん感激してしまいます。

物語に丁寧に裏打ちされた、絆や信頼。

リディアの、純粋に誰かを喜ばすことにたのしさを感じる性分は気持ちがいいです。

手紙に綴られるひとつひとつの小さなエピソードもあたたかいし、
おじさんの、不器用なやさしさも素敵です。


秋になり、冬になり、花がおちると、
ついつい放ってしまうわたしは、リディアが最後に言う
「ガーデニングにおわりなし」という言葉を、いつも肝に銘じるのだけれど・・

でも、春になると、いくつかの鉢植えからはちゃんと
やわらかい葉っぱがでてくるんだもの。
植物って、本当にえらい。そして、たのしいです。



”リディアのガーデニング”
サラ・スチュワート 文 デイビッド・スモール 絵 福本友美子 訳 
アスラン書房