外国の絵本 <
ふふふんへへへんぽん! ーもっといいこときっとあるー
はじめ、ジェニーには、なにもかもそろっていました。
ブラシも、お薬も、セーターも、外を眺める窓も
やさしい飼い主も、なにもかも。

でも、ジェニーは、たいくつでした。
だから、なにもかもを捨てて、旅にでることにしました。

「たいくつだから。ここにないものがほしいから。
 なにもかもそろっているよりも、もっといいこときっとある!」

たったひとつ、もっていない、「経験」を手にいれ、
夢をかなええるために、ジェニーの、長い旅がはじまります。



ジェニーが、危機をのりこえ、経験を積み、
みごと、マザーグース劇場の主演女優(!)になるまでの、旅。

70ページ以上もある、長い絵本ですが、
どのページにも、繊細な線画で描かれた
とびきり美しくも、ユーモラスな挿絵があり、短い9つの章にわかれています。

登場人物たちの粋な会話や、
はちゃめちゃなジェニーのやり方をたのしみながら、
一日一話の物語にも、ぴったり。

そして、さんざん笑ってたのしんだ思い出と一緒に、
そっと本棚にしまっておけば、もしかしたら、いつか、
大切なことをおしえてくれる、人生のよき道連れになってくれるかもしれません。


ジェニーは、貪欲で、ずうずうしくて、たくましい。

夢をつかむには、そうでなくちゃ。
なにより、まず、出発しなくっちゃ・・

それに、探すものが、「経験」だなんて、
あまり、誰も教えてくれないけれど、これは、きっと、本当に大切なことです。

・   ・   ・

「いつかね」と言われると、
「いつかって、いつ?来世?」と聞かずにいられない、
無鉄砲を絵に描いたような、わたしです。

貧欲さ、ずうずうしさ、たくましさ。

機転のきくところ、
一か八かには、挑むところ、
腹をくくる潔さや、そして、運のよさ!

読むたびに、ジェニーが好きになり、
ひとり、歓喜しています。



「ふふふんへへへんぽん!」

モーリス・センダック 作 神宮輝夫 訳
富山房 1575円